10回目のありがとう

10回目のありがとう。

昨日の会場に来ていた、この世の盛りとばかりに美しく着飾った20歳前後の女性たちがまだ額に汗を沢山浮かべてランドセルを背負っていた――そんな10年前のある暑い暑い夏の日――。

新宿歌舞伎町という、世界にも他に類を見ないほどの大歓楽街に、小さなSMバーが一件オープンしました。

ARCADIA TOKYO

大阪は堂山町にあるARCADIAの姉妹店としてオープン前から何かと話題にしていただき、あの決して大きくない箱にオープン3日間で150名を軽く超えるお客様がご来場くださいました。

もちろん。
いわゆるご祝儀来店。
本当の営業は明けた月曜日からだと分かってはいましたが、あまりの落差に笑ってしまったのを今でも覚えています。

――オープン外さんと3日間で来てくれた人らはホンマに嬉しいけど、今日から来てくれるお客さんらがホンマのお客さんになっていくんやで。なぁ――。
響子さんと話したのが昨日のことのように思い出されます。

あれから10年。

毎年真夏にキリストンカフェ様をお借りして周年イベントを行わせていただいてきました。

1回目は150人ほどだったでしょうか?
そこから少しずつ増えてきてくださり、いまでは300人ほどの変態さんたちが会場を埋め尽くしてくださるようになりました。

それは、業界の関係者様方、そしてもちろん、何よりもお客様方のお陰に他なりません。
10年前から変わらずきてくださる方々、最近頻繁に来てくださるようになった方々、そして、最近はほとんどお見掛けしなくなった方々も含めて、皆様が作ってきてくださった功績です。

関係者各位、全てのお客様一人一人に感謝を伝えたいところですが、流石にそうも参りません。

せめてこの場で謝意を述べさせてください。

本当にありがとうございます。


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そしてここから少し手前味噌的な話になります。



見てください。
昨日会場でいただいたものです。
左が現役スタッフ、右が歴代スタッフからいただいた寄せ書きです。

毎年、スタッフ一人一人に感謝の言葉を書かせてもらっていたんですが、今回改めて、現役だけでなく、これだけ多くの人たちが、こんなに不器用でぶっきらぼうでわがままでどうしようもない私を支え続けてくれてたんだと思うと何も言葉が出て来なくなってしまいました。

稚拙な言葉で、本当に恥ずかしいです。
せめて心から言わせてください。

本当にありがとう。

そしてこれからは、言葉ではなく、一人一人ともっとちゃんと向き合えるように頑張ります。
ので、これからも力を貸してください。

どうかよろしくお願いします。

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最後に。

――てっちゃんと俺とで東京行ったら何かおもろいこと出来ると思えへん?――

10年前、貴方は私にこう言ってくださいました。

そして、私のわがままを聞き入れてくださったのが5年前。

未だに、人前ではふざけた態度しか取ることの出来ない半端な人間である私を許してくださり、また10数年前からずっと変わらず受け入れ続けてきてくださり、なんと言っていいのか分かりません。

ただ、ありきたりの言葉しか出てこない自分の不甲斐なさを噛みしめながら、せめて思いついた言葉を心から言わせてください。

ありがとうございます。
本当にありがとうございます。
そして、これからもどうかよろしくお願いします。

2019年
令和元年八月

ARCADIA TOKYO
堂山鉄心

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