飲み屋の独り言

皆さんご存知の通り“夜の街”は今大変なことになっています。
歌舞伎町を歩いていても一般の方とすれ違うことはあまりないどころか、歌舞伎町名物とさえ言える、キャッチ、呼び込みの人すらまばらになってきているほどです(これは良いことかもしれませんが)。

私たちの現状を理解してくださる多くの方々は口を揃えて仰ってくださいます。
「夜の街で接する人数と通勤電車で接する密度、人数――。どちらが多いか? どちらが危険なのか誰でも分かる。君たちは酷い扱いを受けている」

そうなんです。
本当に国に対して言いたいことは山ほどあります。

ですが、彼らの言うことも分かるんです。
ご承知の通り、通勤電車を止めたりなんかしたら、その日のうちに日本経済は死にます。
国としてそれだけは出来ない。

とはいえ、国として、地方自治体として、長として、何もしないという訳にはいかない。
だけど、どうすれば良いのか分からないのは“あの人たち”も同じ。

そして、【何もしないということを国民が許すはずもなく、何か対策をしている体を見せていかなければならない】

ので…
”彼らが考える”生きるのに一番必要のないどこかにスケープゴートを求めなくてはならないんだろうと思っています。

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――22時閉店――。

これが何を意味しているのか分かりますか?
18時か19時に仕事が終わって、軽くメシでも食って19時か20時。
そこから移動して22時までの店に飲みに…
行きますか?

つまり…

政府は“夜の街”に“死ね”と言っているんです。

出来ることは少ないけど、僅かにでも助成金とか出してあげるから、“見事お国のために死んでくれ”と言っているんです。
まさに、2次大戦終盤。出撃を目前に迫られ宴を設けられた特攻隊のようではありませんか?

そして、この場合の“お国”とは、何のことですか?
誰のことですか?

とはいえ、今の政府を否定しても、批判しても仕方がなく、他の政党や、他の候補者が仮に同じ壇上に立っていたとしても、結果が大きく違っていたとは思えません。
それくらい、みんな分からないんです。
誰もどうしたら良いか分からず、これ以上の補助金、助成金など出せるはずもない(すでに出し過ぎなんでしょう)んです。

だったらスケープゴートなど作らず、何もしない政府を黙って見ていられますか?
恐らく、多くの方は「No!」を突き付けるでしょう。
声を大にして「何とかしろ!」と仰るでしょう。

ここでは、新型コロナウィルスの危険度に関して言及するつもりはありません。
誰だって、自分が誰かにうつしてしまう可能性、自分が所属する団体に迷惑を掛けてしまう危険性は避けたいでしょう。

では、黙って私たちはお国のために見事散れば良いのでしょうか?
それとも、スケープゴートになりたくないならば、さっさと“夜の街”など見限って、違う何かを始めれば良いのでしょうか?

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以前より何度も触れてきたのでご存知の方も多いかとは思いますが、私はその“夜の街(を含むSM)”に救われた人間です。
そして、一人でも多くの、昔の私のような迷える子羊の一助になりたいと思って始めた仕事です。

自分が食えないからと言って、簡単に手放してしまえるような、ただの経済活動とは違うんです。

とはいえ、現実問題最低限のお金は必要。

誰に文句を言うでもなく、大切な店を存続させるために、今出来ることを何とか模索していくしかないんだ。ということを強く思う日々です。

今は「店に来てください」も簡単に言える状況ではなくなりました。

私の活動理念。
「一人でも多くの性的マイノリティーの方々に、少しでも生きていきやすい環境を作るお手伝いをしたい」

何が出来るのかは分かりませんが、出来ることからコツコツと始めていきたいと思います。
もしもご賛同いただけるのであれば、これからの私の活動を少しでも応援していただければ幸いです。

2020年8月
堂山鉄心

“飲み屋の独り言” への2件の返信

  1. FF外から失礼します(何度かイベントでお見かけしたことはあります)。本当に厳しい時期だと思いますし、持ち堪えられず閉店を選択した店もありますね。私は札幌在住ですが、幸いな事に通っている店は銀行の融資を受けたりしながら何とか営業できているようです。
    去年大阪アルカにお邪魔し、東京のアルカにもいつかお邪魔しようと思い続けて数年。その夢が叶う日まで是非続けていただきたいのです。私も夜の街(という呼び方が好きではないですが)に救われた人間です。初めてSMバーに行った時大声でSMの話ができる事に感動したものです。
    他の方も提案されていますが、私もやはりクラウドファンディングのような形での募金活動やグッズ販売が一助となればと存じます。
    皆、お金での支援が今は大切だと理解していると思います。
    長くなりましたが、いつか必ずお邪魔できる日を信じています。

    1. ありがとうございます。
      読ませていただき、涙が溢れる思いです。

      どういった形であれ、何とか存続出来るよう、努力を続けていきます。
      引き続き、応援してくだされば幸いです。

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